看護師が重症心身障害病棟で働くことのメリット・デメリットは?
2018/06/18
看護師ってたくさん働ける場所があります。
病院の中だと外来、病棟があって、病棟でも外科、内科、精神科など各科が分かれています。
病院じゃなくても、今では訪問看護もありますし、保育園とか、生命保険系の仕事なんていうのもあります。
僕はその中で、「小児科」に属する「重症心身障害病棟」というところで働いています。希望してこの病棟に勤務しました。
今回はその理由と、重症心身障害病棟のメリット、デメリットについて話したいと思います。
重症心身障害病棟を選んだ理由
もともと僕は病院で勤める気はありませんでした。
療養施設で働くことを考えていて、何か資格を!と考えていた時にオススメされ、看護師の資格を取りました。
看護学生の時に行った実習で、重症心身障害のある患者さんを受け持ったことがありました。
もう大変でした。何話しかけてもリアクションがわからない。拘縮、変形でどうやって触れていいかもわからない。
どうすればいいの??って考えながら実習に行っていました。
実習が終わりに近づいてきたある日。
自分の受け持ち患者さんが、明らかに自分の方を見て口が動きました。何というか、口角が上がりました。
あれ?今笑った?
こんな体験がここから何度も何度もあり、最初とは明らかに違う患者さんの表情がわかるようになってきたんです。
ちゃんと僕のことを認識している。
これだけで感動したんです。
何か求めてるのかな。何か不快なのかな。この表情は楽しんでるかな。とか。
この一つ一つが、重症心身障害の患者さんとの信頼関係を作っていくんだと知ることができました。
そして、本当にたまたまなんですが、その実習の期間中に就職活動の期間がカブってたんです。笑
重症心身障害病棟がある病院をすぐに見学に行きました。
即決でした。笑
重心病棟のメリット・デメリット
・超慢性期であるということ。
これは、本当にじっくりと患者さんと関わり、考え、より患者さんの生き方に寄り添えるという意味ではかなりメリットだと思っています。
深く関わることができるので、1人ひとりの患者さんに対して深い看護ができます。
・コミュニケーションが難しいということ。
一見デメリットなんですが、僕はそう思ってません。コミュニケーションが難しい、主訴がわからないから、わずかな変化を「観察する力」が養えます。
しかし、患者さんからの主張がないため、逆に不快なことをしているかもしれませんし、スタッフの中には声かけすら少ない方もいます。悲しいですけど。
・療養施設に近いということ。
重症度の高い患者さんの場合は呼吸器がつけていたりするんですけど、ほとんどの場合、医療的な看護技術をあまり実施しません。
急性期とかで働いている看護師と比べたら、ほぼ新人レベルだと思います。笑そのかわり、生活援助方面はかなり強くなりますけどね!
・特殊な病棟のため、他病棟へ異動した時大変。
先ほど書いたように、医療的な看護技術がなかなか身につかないので、異動した時は結構大変です。新人並みに勉強するらしいです。
僕も先述したような感じで入職したので、この病棟に入った後の将来とか、キャリアとか、何にも考えていませんでした。この特殊な病棟での技術、知識を極める!っていう手もありますけどね。
重心いいとこ、一度はおいで。
今から急性期とかで働くとかを想像すると、二の足を踏んでしまうことは間違いないです。技術とか知識とか、ベースはもちろんありますけど、やはり足りないと感じてしまうからです。キャリアを積もうとかって考えると、最初から重心じゃなくてもいいかな。と思ってます。でもね、楽しいですよ。重心。
オールマイティな看護師を目指している方、じっくり1人ひとりの看護を考えるのが好きな方は是非、一度重症心身障害病棟で働いてみてはいかがでしょうか。