重症心身障害者病棟の患者と関わること。患者にとっての病院の役割とは?
2018/06/12
どうもmartonです。
僕は看護師資格を取って今4年目、ずっとこの重心病棟に勤めています。
前にも書きましたが、脳性麻痺など日常生活で自立するのが難しい方が多く、また医療的ケアが必要である患者さんがほとんどです。
そのため、入院している患者さんは超慢性期。病棟の約90%の患者さんがずっと入院しています。病棟に関わった年数で言えば僕なんてまだまだひよっこです。患者さんの方がよく知ってたりします。笑
この病院、この病棟からほとんど外に出ない患者さん達と関わる中で、患者さんはどんな気持ちで生活しているんだろう。。って1年目にはすごい考えていました。
病棟は家、中にいる人は家族
ドクターもナースもリハビリも、患者さんと関わるのは長期間になります。ずっと一緒にいるわけですから。そして、良くも悪くもお互い慣れていきます。
患者さんにとってここは家、患者さん同士は兄弟で、ケアしたり生活の補助をしている僕らは親みたいな。言い方はちょっと変かもしれないですけど、距離感はそんな感じなのかなぁって思います。
倫理的にどうとか、よく言われますが。。
長い間一緒にいるわけですから、大体のスタッフは話し方が他人行儀じゃなくなっていきます。笑
患者さんなんだから、礼儀を正しくしなくては。
ちゃん付けなんて以ての外!!
なんて、注意されることもありますが、患者さんの立場になったらそれは寂しく感じるんじゃないかな?と思います。
もちろん、相手を悪く言ったり、傷つけるような言動はダメです。でも、お互いに慣れて、言葉が近しい間柄のようになるのは、僕はありだと思ってます。
付き合いが長くなり、慣れてくるからこそ見えてくるものがある。はず。
僕が去年受け持ってた患者さんは、手足の粗大運動と寝返り、視線を動かしたりすることはできたのですが、言語的コミュニケーションが取れません。だけど何か気になることがあると声を出すし、泣いたりします。嬉しい時には笑います。
コミュニケーションが取れないため、最初は何を訴えているのか分かりませんでした。
だけど何回も訪室して話しかけ、徐々にその患者さんが何を訴えているのか。どういう時に声を出すのか。泣くのか。わかるようになったんです。
僕自身はわからなかったんですが、ほかのスタッフから
「あなたがくるとすごい嬉しそうな顔をするんだよ」
と言われるようになり、嬉しかったのを覚えています。
この経験から、長く関わるからこそ、相手のことを知ることができ、ささいな変化にも気づくことができるようになると知ることができました。
何より、患者さん達はこの病棟で暮らしています。より良い生活、人生にするためにも、こんな関わり方って大切なんじゃないかなぁ。と僕は思います。